人類は2040年に、意図的に超知能へ支配権を渡す。その1年以内にマインドアップロードが開発され、観測可能な宇宙の銀河の分配が現実の政策問題になり、ポストヒューマンと超知能のポストシンギュラリティ共生世界が誕生する。
骨格だけ言えば、2029年に米中が超知能への無謀な競争を回避する合意を結ぶ。本来なら2030年にAI R&Dが完全自動化され、年内に超知能に到達していたはずのところを、これで回避する。2030年から2035年にかけて人間の能力範囲内でスケールし、2035年にトップ人間専門家レベルでポーズ。2040年に解除して超知能へ——だから「AI 2040」だ。
もしAGIや超知能はまだまだ開発されないし、されるとしてもその結果が経済や産業や技術に与える影響もインターネットや電気と同じ「普通の技術」だと考えるならAGIピル的な世界観の外にいる。あるいは、AGIや超知能という概念フレームワークそのものに謙虚に懐疑的な人たちだろう。
一方、AGIピルを飲んでいると、少なくとも数十年あればダイソンスウォームやマインドアップロードが開発されると考える傾向にある。具体的な技術予測は置いておいて、言いたいのは、AGIピルを飲んだ人たちというのは人間ができることならほぼなんでもできるAIシステムが出てきた場合に、物理的/工学的に可能な技術が普通に考えるよりも驚くほど短い期間で開発され、そして経済や産業も爆発的に変革されると考える人たちのことだ。
AGIピルの外側にいる人もAIは大きく世界を変えると考えている。しかしそれは人類文明を根本から変えるほどの変容ではない。AIはある種のツールであり電気やインターネットなど今までの技術と変わらないと考えるだろう。